夜長と猫

秋の終わりは少し楽しい
スープの温度が唇を蕩かし
悴んだ指も息を吹き返す
素っ気ない猫も膝から降りず
布団をせがむ甘え声を二つ
そうこうしながら思う明日の空は
一人分では収まらない

命が凍てつかない様に
熱が寄り添うそんな夜
鼓動が響き合う
交わる交わらない
交わる交わらない
心の音は一瞬を求め
あやふやな刻みを止むことなく

きっとあの森の奥でも
冬の支度で忙しい
私も同じく命であると

持ちすぎた暮らしの頃は
決してわからなかった
奪いすぎていないか
誰に与えられたのか
暑くない夏、寒くない冬、
暗くない夜、孤独じゃない一人、
今はその訳が分かる

何一つ思い通りに動いてくれない
だから生きていけるのだろう
願いの余地なき日付たちは
思うことで命を宿す
明日は雪でも何とかするから
寝息を立てる猫を撫で
戯言を子守唄に

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